キーポイントシリーズは「多変数の微分積分」を掲載済みですので、同じシリーズから2冊レビューは気が引けていたのですが、この「線形代数」も良著ですので紹介します。
この本の凄いところは、最も大切なポイントを丁寧に分かりやすく説明している点です。
例えば
https://ocw.mit.edu/courses/mathematics/18-s096-topics-in-mathematics-with-applications-in-finance-fall-2013/video-lectures/
の lecture 2 Linear Algebra で説明している内容のうち基礎的なことは、この本の ポイント8 固有値の意味をつかむ と ポイント9 行列を対角化する に書かれており、私には lecture 2 より、この本の方が分かりやすかったです。
2013年にマサチューセッツ工科大学のファイナンスの授業で説明された「線形代数」の大事なポイントが、1992年に青山学院大学と龍谷大学の理工学部の教授お二人によって書かれていることに、私は心から感心しました。
勿論入門編ですから、本書だけで十分ではありません。しかし本書がなければ、私には「線形代数」を理解するのは難しく、折に触れて読み返して理解不足を補っています。
線形代数は難しいとか、基礎から理解したい、という方には本当にお勧めです。是非ご一読ください。