著者が投資責任者の「おおぶね」という投資信託の投資スタイルに以前から共感をおぼえていて、著者の考え方を学んでみたかったので、良い本に出会えました。
平易に書かれていますが、ドラッカーの「顧客の創造」や、エイサー創業者が唱えたとされる「スマイル・カーブ」、「サービス・ドミナント・ロジック」やポーターの「競争の戦略」、またイノベーションについての理解、最近話題のエヌビディアの属する半導体業界で顕著な、世界的な水平分業の進展、などを踏まえて記述しており、相当に深い知識をお持ちなのだろうと感心しました。
また、私がお客様にすすめる長期投資は、投資ではなく投機の部類だと思い知らされました。
この本以外にも、株式投資で成功した投資家達が書いた、もしくはその投資家達に関する本を何冊か読みましたが、どなたにも共通するのが、「株価ではなく価値を見極めることに集中して、投資先がイノベイティブに価値を創造し続ける限り売らない」ことではないか、と気付かされました。
これから初めて投資に取り組まれる方に、私のように価格に一喜一憂する癖をつけてしまう前に、是非読んでいただきたい本です。