実証分析のための 計量経済学 ~正しい手法と結果の読み方~

「こういう内容の本を待っていました。よくぞ書いて下さいました。本当にありがとうございます。」と言いたくなる本です。

例えば、

https://www.bis.org/publ/work834.htm

に掲載されているワーキングペーパーは、題名の通りとても興味深く参考になりますが、トービットモデルとロジットモデルを用いて分析しており、読む側がそれぞれのモデルの特徴や分析結果の解釈の仕方が分からなければ、台無しです。

しかしながら、その為に計量経済学の基礎から学んで、各モデルの数学的な意味まで理解して・・・などとやっていれば時間がいくらあっても足りません。

私の場合は、分析結果を正確に理解しお客様へのアドバイスに活かせれば良いわけで、著者がおっしゃるように車を運転するのに自動車工学の知識までは必要としない場面が多々あるわけです。

そこで、間違わずに解釈するために必要な項目に絞って説明し、また解釈例をふんだんに掲載して、どのように解釈すれば良いかを丁寧に解説してくれているのが本書です。

また、もっと計量経済学について学びたい人のための最適な入門書にもなっています。

ただ有意水準や帰無仮説などの意味が分からなければ理解は出来ませんのでご注意ください。裏返せば、基礎的な統計学の知識さえあれば十分に読みこなすことが出来ます。

特に実務家の皆様にお勧めの本です。