「メンバー同士の結束が固く、信頼できるリーダーのもと、最高のチームだと全員が確信している理想のチームが、大切な決断をしなければいけない問題に直面したときに、リーダーの打ち出した方針のもとにメンバー同士が話し合って決めたことが原因で大失敗を引き起こしてしまう。」という、にわかには信じられないことを取り扱っているのが本書です。
1980年代の日本のバブル期に、当時の株価水準が適正だと判断したチームが、なぜ間違ってしまったのかを調査する中で、この本に出会いました。著者は故人となりましたが、イェール大学やカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとった社会心理学者です。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、キューバミサイル危機などで、米国の政策決定集団が、どのような誤りを犯し、なぜそうなったのか、どうすれば防げるのか、まで考察しています。最も印象的だったのは、ピッグス湾侵攻の時に政策判断で大失敗したケネディ政権が、その失敗の教訓を、キューバ危機では見事に活かしたことです。これを読んで、ケネディ大統領が優れたリーダーであったことが、よく分かりました。
お互いに配慮し合い、チームとしてのまとまりを大切にするという、良いチームを作るのに欠かせないことが原因で大失敗をしてしまうことを通じて、誰も完全にはなれないし誰の心の中にも弱さが存在することを、改めて学ぶことが出来ました。