Do Stock Prices Move Too Much to be Justified by Subsequent Changes in Dividends?

配当割引モデルをご存知ですか?

配当をもとに株価水準を推計するモデルです。1980年代の日本のバブルの時に、株価水準が妥当かどうかの判断に利用されていました。今でも安定配当の企業の株価評価に使われているのかもしれません。当時、このモデルで計算すると「今の株価水準が妥当」という結論が導き出されることがしばしばありました。今となっては「どう考えても高すぎましたよね。」ですが、バブルの最中はバブルを認識できませんから仕方がなかったのかもしれません。しかし、モデルが単純すぎて株価の実際の変動を表現できないところに理由があるのではないかと常々私は思っていましたので、読んでみたのがこの研究です。

案の定ボラティリティの観点から配当割引モデルの短所を解明していて、著者のロバート・シラー イェール大学スターリング教授の才能に惚れ惚れしました。成長=長期的な成長+イノベーションによる成長 と区分けして、株価の変動を計算することなぞ私には思いつかないです。

最後に、「投資家心理」が株価の大きな変動を生み出していることを暗示して、

“Since the market did not know in advance with certainty the growth path and distribution of dividends that was ultimately observed, however, one cannot be sure that they were wrong to consider possible major events which did not occur. Such an explanation of the volatility of stock prices, however,is “academic,” in that it relies fundamentally on unobservables and cannot be evaluated statistically.

と結んでいるのが印象的でした。ラグランジュ未定乗数法やテイラー展開も使って証明していますので読むのは大変ですが、得るものが大きかったです。